2020-11-07 田中慎弥/完全犯罪の恋(群像2020年4月号) 初・田中慎弥。 冒頭で本作が私小説と思われるかのような曖昧な暗示?が書かれていて、この時から私小説とでしか読めなかった。 失礼な物言いだけど、主人公たちの苦悶の念とは裏腹に、自分には終始盛り上がりに欠ける物語であった。特筆すべき心打たれる文章表現が出てくるわけでもなく、ハラハラさせるストーリー展開が拡げられるわけでもなく。 印象に残っているのはただ淡白な文章。