読書の時間がない日記

図書館で文芸誌を借りるのが好き。永住の地の最寄り図書館は好みの文芸誌が置いていなくて悲しい。育児と仕事で読書の時間が取れないサラリーマン。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

遠野遥/改良(文藝2019年冬季号)

期待の遠野遥初作品。しかし、明け透けなエログロは苦手なのでこの作品は駄目だった。冷徹に美醜について評価を下すのだけが良かったかな。 んー、もう一作くらい読んでみるか、ずっとこんな作風なんだろうなという気もするけど。次回に期待。

羽田圭介/滅私(新潮2020年9月号)

初の羽田圭介作品。 物を持たず、記憶はHDDに格納――ミニマリズムに没頭する男を、1枚の写真が究極の捨てへと導く。現代の虚無を照射した快作! この惹句に興味をひかれて手に取ったけど、うーん、インパクトに欠けるまま終わってしまったかな。ミニマリズム…

舞城王太郎/裏山の凄い猿(群像2018年12月号)

正直、舞城王太郎のぶっ飛び感はあまり好きになれず、食指が動かない。世界観もぶっ飛んでいるし、何より怒涛のように流れ打つ文書が好みではない。が、これは面白かった。「結婚できない」と指摘されたことに素朴に悩む主人公にまず胸を捕まれ、「人のこと…

上田岳弘/ニムロッド(群像2018年12月号)

不思議な吸引力をもつ作品。盛り上がりには欠けるので序盤から中盤まで、登場人物に愛着が湧いてくるまでは読み進めるにあたって多少こちらのコンディションを選ぶ。箴言めいたセンテンスが散りばめられていて、それは好み。特に、主人公の彼女が呟いた、発…