読書の時間がない日記

図書館で文芸誌を借りるのが好き。永住の地の最寄り図書館は好みの文芸誌が置いていなくて悲しい。育児と仕事で読書の時間が取れないサラリーマン。

今村夏子/こちらあみ子

こちらあみ子 (ちくま文庫)

こちらあみ子 (ちくま文庫)

こちらあみ子

人が人の扱いを受けていない様はいたたまれない、受け入れられない。でも、じゃあ周りの家族に何ができた?解を持てない。

あみ子は一人だけの世界で誰からも応答がない。孤独。それでも腐らない。ていうか、端から腐るとか腐らないとかないのか。強烈な一途。その孤独たるや、胸が苦しくなる。

誰も悪くない悲劇というのはこの現実に確かにあって、その事実に心が苦しい。きれい事だけを述べて目を背ける自分。どうしたらいいの。

ピクニック

素晴らしき友情物語を読んでいたと思ったのに、急に“破綻”を見せられて、あれ?これって?と頭に疑問符を突き付けられる。だんだん「こいつら信用できないぞ」って思ってきて、でも自分の中ではそれを認められなくて、どうにかして好転してくれ!と祈りながらページをめくった。

最後の、七瀬さんの存在を確認してから引き返して皆で乾杯をしている光景は、あまりにも受け付けられなくて頭で理解ができなかった。こんな残酷な人たちっているのかよ。七瀬さんの存在自体も痛々しくて悲しいし。何これ、世界は真っ暗じゃん。て思わされる。