読書の時間がない日記

図書館で文芸誌を借りるのが好き。永住の地の最寄り図書館は好みの文芸誌が置いていなくて悲しい。育児と仕事で読書の時間が取れないサラリーマン。

2020-11-07から1日間の記事一覧

舞城王太郎/勇気は風になる。(新潮2019年1月号)

どうした新潮2019年1月号。この号では児童虐待を扱うという方針があるのか。育児世代の自分には精神的にクルものがあるんだけど。醜悪な人間を描ききる表現力に恍惚とする。磯部文鳥。現実では絶対にお目にかかりたくないが、小説に登場する醜悪な性格の人間…

天童荒太/迷子のままで(新潮2019年1月号)

初・天童荒太。文芸誌は新しい作家さんと触れ合う機会があって楽しい。 文章が上手いという印象はない。極端に言えば説明文の羅列のように思えてしまう。文章表現ではなく、扱うテーマと物語の内容で勝負する作家さんなのかな。4歳児を育てている自分にとっ…

田中慎弥/完全犯罪の恋(群像2020年4月号)

初・田中慎弥。 冒頭で本作が私小説と思われるかのような曖昧な暗示?が書かれていて、この時から私小説とでしか読めなかった。 失礼な物言いだけど、主人公たちの苦悶の念とは裏腹に、自分には終始盛り上がりに欠ける物語であった。特筆すべき心打たれる文…