舞城王太郎/勇気は風になる。(新潮2019年1月号)
どうした新潮2019年1月号。この号では児童虐待を扱うという方針があるのか。育児世代の自分には精神的にクルものがあるんだけど。
醜悪な人間を描ききる表現力に恍惚とする。磯部文鳥。現実では絶対にお目にかかりたくないが、小説に登場する醜悪な性格の人間はなぜか見入ってしまうところがある。変な癖(へき)かもしれない。
やたら反発だけして、言われたことや自分のやってることに対しては特に省みない人なのだ。
醜悪な性格を表現する見事なセンテンス。絶対に会いたくない。
最後の急展開は唐突感があり、自分にはよく理解できなかった。筆者が力尽きて突然に終了させたようにも思えるくらい。自分の読解力がないだけか。最後の箇所以外はほどよく楽しめた。
舞城王太郎の文章が読みやすいと感じてきている自分に驚いている。