読書の時間がない日記

図書館で文芸誌を借りるのが好き。永住の地の最寄り図書館は好みの文芸誌が置いていなくて悲しい。育児と仕事で読書の時間が取れないサラリーマン。

羽田圭介/滅私(新潮2020年9月号)

初の羽田圭介作品。

物を持たず、記憶はHDDに格納――ミニマリズムに没頭する男を、1枚の写真が究極の捨てへと導く。現代の虚無を照射した快作!

この惹句に興味をひかれて手に取ったけど、うーん、インパクトに欠けるまま終わってしまったかな。ミニマリズムに対して、新しい視点での批判もないし、斬新な解釈というのも見当たらなかったように思う。
林田絵里のような、家族を顧みないで自分の世界に突き進む人間は大嫌い。特に、そんな母親に世界を破壊されてしまう幼少の子供を見ているといたたまれない。やめてくれ、と叫びたくなる。