読書の時間がない日記

図書館で文芸誌を借りるのが好き。永住の地の最寄り図書館は好みの文芸誌が置いていなくて悲しい。育児と仕事で読書の時間が取れないサラリーマン。

金原ひとみ/デバッガー(新潮2019年8月号)

ルッキズム極まれり。
自身の髪(主に前髪)を気にしていた頃を思い出して、読んでいる間は脂汗のようなものが出てきて動悸がおさまらなかった。とにかく自分への執着が止まらなくてまともに社会生活を歩めなかったあの頃。自身の醜さばかりに気を取られて、現実世界で起きていることは靄がかかったような感覚で朧げだった。鏡を見る為だけに頻繁にトイレに通い、大便の個室に籠って慄えるばかり、個室の外に出ることが大変に困難であったあの頃。いやぁ完全に精神病だったよなぁ。ほんと辛かった。
ということを思い出させてくれたくらいだから、醜貌恐怖症をうまく描いている昨日だと思った。男性は禿げることで、女性は老いることでここまで悩む人は出てくると思うんだよな、ほんと架空の話ではなくて。それくらいに世間はルッキズム。(いや、世間の所為にするわけではないけれど)